星空ポートレート完全にマスターした(マスターしたとは言ってない)

こういう写真を頑張って撮っていきたい人生。

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星景撮影をやってる人が近くに居るところでストロボを光らせるのはやめましょう。

機材

星向けの機材とドール用の機材の折衷で、条件が厳しい方に合わせていくという方針が良いと思います。
と言ってもレンズに普段はあまり使わない超広角レンズを使う点と、ストロボを多めに用意しておくというくらいしかありません。

  • カメラ

これはISO3200とか、6400が常用範囲で設定できるカメラであればほぼなんでもOKでしょう。RAWで後処理することが前提なので、おそらく多くのコンデジは対象外です。
画素密度が低い方がノイズが減る傾向にあるため、35mmセンサーのカメラの方が良いと言われているようです。
今回は1枚撮りではなくて、複数枚撮影したものを加算合成することによってノイズを抑えるというやり方をするので、ノイズが多くてもディティールが残るのであれば、どのようなカメラでも良いと思います。

自分は機材寄りのオタクなので最近新しく買ったα7RIIIを使います。


  • 超広角レンズ

今回は赤道儀を使わないで撮影するため、いわゆる500ルールを適用した時に、20秒程度の露光時間が取れる画角を選びます。なぜ20秒かというと、世の中の作例を見て大体こんなもんだろ、というのと、複数枚撮影時の時間を減らしたいという理由です。
後に説明しますが、ノイズ低減目的では8枚〜32枚程度の写真が必要とされており、露光時間が10秒伸びると全体の露光時間がだいぶ変わります。
ということで、25mm以下でなるべく明るいレンズ(F2.8以下が目安)を選ぶということになります。12mm〜24mmの範囲は風景写真用途で明るいレンズがたくさんあるので、好きなものをチョイスするのが良いと思います。感覚的には、24mmだとカメラを雑に空に向けると天の川の端がはみ出たりするので、14mm〜20mmあたりが良いような気がします。

今回はIrixの15mm/F2.4 をアダプター経由で使用します。

その他星景撮影用のレンズにおいては、周辺減光や非点収差、コマ収差を異常に気にする人がいますが、ドールちゃんの顔を撮るのに関係ないのでどうでもいいです。一方で、広角レンズでは歪曲収差がどの程度出るかは知っておくべきです。端的にいえば頭や体が伸びる。

あと、これは余談ですが、実は500ルールも最近の高画素センサーでは通用せず、400ルールあたりに言い換えるのが正解な気がします。もしかしたら300ルールくらいかもしれない。(画角、画素1pxが占める面積と日周運動の速度などから、真面目に計算すればわかると思いますが。)

  • 三脚

まあこんな細かいところまで読むドールおじさんで持ってないやつおらんしええか?
星景では俯瞰で撮ることはあまりないので、三脚本体はセンターポールが無く地面にベタ付けしてドールと同じ高さかそれ以下にカメラが設置できるものが良いです。
また雲台にはフリクションコントロールやパン棒を備えたものをオススメします。

  • ストロボ

ワイヤレス発光できるものが最低2本、場合によっては3本あると良いと思います。
Full CTOか1/2 CTOのフィルターも本数分あると良いです。

今回は使いません。24mm以下で撮影する場合、というか500ルールに当てはめた時に20秒以上露光できそうな場合には、赤道儀を使うメリットよりもデメリットが上回ると思います。
赤道儀を使うメリットとしては、露光時間を伸ばせることと、それによって低ISOや絞りの選択肢が増えることです。
とはいえ無限に露光時間が伸ばせるわけではなく、高ISOのまま露光時間を伸ばすと、方角によっては光害で地上付近が白飛びしてしまったり、低ISOでも露光時間が伸びるとカラーノイズが増えたりするなどの問題があり、天の川の撮影を目的とした場合、東京近郊では2,3分程度が最大ではないでしょうか。
一方でデメリットとしては、構図を変える際に極軸合わせからやり直す必要があるのと、赤道儀以外にも重めの三脚、微動雲台、レベラーなどが必要になるので、装備が+2,3kg重くなります。

というわけで、今回は撮影機材の構成を考慮して、SS20秒程度で複数枚撮影しそれを加算合成することでノイズ低減します。

Starry landscape stackerは、複数枚撮った星景写真を加算合成してノイズを低減することを目的にしたツールです。赤道儀を使わずに星を撮り続けると星がどんどんながれていくため、Photoshopの標準機能でピッタリ重ね合わせるのは困難ですが、このツールを使うと、ある程度アノテーションを付けると良い感じに重ね合わせてくれます。
加算合成を行うとなぜノイズが減るかはググってください。
sites.google.com

撮影

現地での撮影では、ピント位置や露出を変えながら以下の3種類の写真を撮って、おうちに帰ってから合成します。

  1. 星空を撮影した写真(ノイズ低減用に16〜32枚)
  2. ピント位置を手前に持ってきて前景を撮影した写真
  3. さらにピント位置を手前に置き、ドールをストロボでライティングして撮影した写真

2と3は同時に撮影できますが、2の撮影は環境光を入れるために長時間露光が必要なので、ライティングに失敗した時のリカバリーが難しくなります。
もっと言えば、理論上はこれらをほぼ1ショットで済ませることも可能ですが難易度が上がるだけなのでどうでも良いです。

星空の撮影

F2.4/SS20秒/ISO3200 あたりの設定で、(今回は)16枚撮影します。天の川はどの方角だとか、ピントの合わせ方はどうだとかはググれば無限に情報が出て来るのでそちらを見たほうが良いです。ちなみにこれはミスってドールを置いたまま撮影しています。
さて、撮影したうち1枚をRAWのままアウトプットすると以下のような感じになります。この時点で色々コツがあるようですが、うっすら天の川のザワザワしたところが見えていれば後処理で持ち上がります。

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前景の撮影

ピント位置を手前に持ってきて、前景を撮影します。明るさはお好みですが、今回は星空のRAWから+1EVしたものを使います。ノイズを抑えたりシャープネスを上げたいなどの目的があれば、低ISOまたはF値を上げてSSはさらに落とせば良いです。

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ドールの撮影

ドールは発光体ではないので、ライティングします。ストロボ光だけで撮影することになるので、シャッタースピードは任意の値、ISOとF値を考えるということになります。あまりに露出が小さいとストロボ光を強める必要があり、目が辛くなるので、ストロボの発光量が1/64〜1/32あたりになるように露出を設定するのがおすすめです。

今回は、画面左側からソフトボックス+FullCTOを付けたストロボ、ドールの後ろからFullCTOを付けたストロボを発光しています。

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後処理

星空の現像

まず16枚の写真をStarry landscape stackerに投げて、ノイズの少ない写真を生成します。
Starry landscape stackerの使い方はググればわかるのでググってください。

その後、生成された写真を現像していきます。これもよくある現像方法でやっていきます。
最初の段階ではあまりノイズ感が無くても、メリメリに現像していくと辛い感じなるので辛い。

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前景およびドールの現像

色味を補正したり、暗いなと思ったら明るくするとか、その程度で良いでしょう。ここでゴリゴリ直す必要があるならそもそも失敗です。

合成

ここまできたら、もう上手いこと合成するだけです。ここまで読むようなドールおじさんなら大体想像付いてると思うけど、レイヤーマスク、比較明合成レイヤーなどを駆使して、3枚を上手いこと重ねます。過程はまあまあ泥臭い感じなので省きますが、3枚重ねて良い感じに細部を直して行くと、以下のようになります。

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これで完成です。マジか。