Starry Landscape Stackerによるノイズ低減具合を感覚的に見る

前回の記事の続きですが、Starry Landscape Stackerによるノイズ低減にどのくらい効果があるのか見ていこうかと。
その前にMathJaxのテストをします。

加算合成で輝度ノイズが低減できる理由ですが、輝度ノイズは位置についてランダムであるためです。
具体的には、輝度の観測値をピクセル座標の関数\(\overline{H}\left(x,y\right)\)は、真の観測値を\( H\left(x,y\right)\)、ノイズの分布を\(N\left(x,y\right)\)として、超単純化すると、以下のように表しても良いでしょう。
$$
\overline {H}\left( x,y\right) =H\left( x,y\right) +N\left(x,y\right)
$$
さて、これを\(M\in\mathbb{N})\)枚加算することを考えます。加算合成では輝度値の和をとって最終的な絵を作るので、それぞれの写真の輝度を\( 1/M \)に薄めます。
また、それぞれの観測は基本的には異なるものとして考えます。
$$
\overline {H}\left( x,y\right) =1/M\sum H_{i}\left( x,y\right) +1/M\sum N_{i}\left(x,y\right)
$$
ここで、露光条件が一切変わらない場合には、\(H_{i}\left( x,y\right)\) はすべて同じだと考えることができます。
一方でノイズの発生および強度はある確率分布に従うので、1回目の観測ではノイズが観測されなくても2回目と3回目には観測され、・・・M回目では観測されないということが起こります。仮に\(m < M\in\mathbb{N}\)なる枚数だけノイズが観測されたとすると、
$$
\overline {H}\left( x,y\right) = H\left( x,y\right) +m/M * N\left(x,y\right)
$$
と変形することができ、まあまあノイズの量が減ることがわかります。より一般的に言えば、位置と強度に対してある分布に従うランダム性があるということは、十分な枚数を撮った場合には、ノイズ強度の分布の平均値にノイズの発生確率をかけたものが加算合成によって得られるノイズ量となるでしょう。

まあここまでの話はMathJaxのテストをしたかっただけなのでどうでも良く、実際にStarry Landscape Stackerからの出力でどのくらいノイズ感を低減できるのか、感覚的に見たいと思います。

以下の写真はいずれもα7RIII, ISO3200, SS20秒 で撮影しています。Lightroomで等倍表示したものをスクリーンショットを撮ってみました。

16枚合成 VS RAW
明らかに16枚合成の方がざらつき感は減っています。等倍表示ではほぼ感じられません
f:id:Xray:20180304191716p:plain

8枚合成 VS RAW
加算する枚数を減らしてどうなるかを見てみます。RAWに比べると画像のざらつき感は減っています。
f:id:Xray:20180304192501p:plain

8枚合成 VS 16枚合成
次は枚数違いで比較してみます。8枚合成の方はすこしざらついているような気がします。
f:id:Xray:20180304192522p:plain

レビューとしてはかなりアレですが、8枚にした時点で筆者的にはこれ以上やる意味ないなって感じだったのでこれ以上はやりません。
まとめると、ISO3200くらいのノイズ量であれば、16枚くらい撮っておくのが良いのかもしれません。時間がなければ8枚でもOKという感じでしょうか。これは後処理で何をやりたいかに依存します。さらに感度を1段上げた場合は、加算枚数を増やすべきだと思うのですが、ISO不変性があるからISO上げる意味ないとか面倒な話があるっぽいので、まず感度を上げる意味があるかから議論した方が良いでしょう。